Pithecanthropus Erectus

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モーリス・ルブラン

モーリス・ルブラン『続813』堀口大學訳

彼はすすり泣いた、彼はわなないた、深い絶望感におそわれて、咲いたかと思うとその日の中(うち)に凋(しお)れてしまう遅咲きの花のように、彼の心は優しさで一杯だった。 老女が跪いた、そしてわななく声で言った、(後略) (p.346) 『813』の最後で…

モーリス・ルブラン『813』堀口大學訳

「(前略)ジュヌビエーブの良心は潔白で最高のものです……それなのにあなたときたら……」 「わしの良心がどうだというのだ?」 「あなたときたら、心の正しい人ではない」 (p.139) ホテルの一室で事件が起こる。 「ダイヤモンド王」と呼ばれる大富豪・ケッ…