庄司薫
主人公であり語り手でもある薫君は、麦わら帽子に昆虫網に付け髭という奇異ないでたちで真夏の空の下に突っ立っていて、その場面からこの物語は始まる。これまでの三作は毎回、家の中から始まっていたのだから、おお、なんか新鮮、と思う。 というかこの作品…
本作においても語り手である薫君のおしゃべりは絶好調であり、のりにのっている。しかし前二作と違うなあと私がなんとなく感じたのは、薫君以外のキャラもしゃべりまくっているということだ。薫君も相変わらずしゃべるのだが、他の人たちもとにかくしゃべる…
先日、『赤頭巾ちゃん気をつけて』を読んだ時に私は、語り手の薫君がおしゃべりすぎることについて、「戦略的にそのようなキャラを演じているのでは」と思ったのだけれども、続編となるこの『さよなら快傑黒頭巾』を読んで、このおしゃべりは演技ではできな…
この小説の主人公で語り手でもある薫君は、とにかくしゃべる。いや語り手なんだからしゃべるのは当然なのだけれど、それにしたって、しゃべりすぎじゃない? って思うくらい、薫君、しゃべってしゃべってしゃべりまくる。 幼馴染の由美の要配慮個人情報なん…