Pithecanthropus Erectus

読んだ本などの感想を書いてます。

小林登志子『シュメル――人類最古の文明』


 最古の文学者だというエンヘドゥアンナ王女のことが気になって、この本を読んだ。

 今から六千年前くらいにシュメル人という人たちがいて、高度な都市文明を築いていた。そんなシュメル人たちの暮らしが詳しく紹介されている。

 なぜそのように大昔のことを、つまびらかに知ることができるのかというと、彼らは粘土板に記録していたからである。粘土板。紙はまだ発明されていなかった。だから、粘土板に楔形文字で記録。そのおかげで現代までその記録が残ったのだ。焼失も免れて。というか粘土なので、焼けるとより硬くなり保存性が増した。

 生活するっていうのは、楽しいけれども楽じゃなくて、目の前のこと、目の前のことに追われまくりな日々を送っている身からすると、なんかね、気が遠くなるような昔の出来事を想像し、思いを馳せるというのは、健康に良い気がする。楽しい読書だった。

 イナンナ女神、気になるよね。エンヘドゥアンナ王女も『イナンナ女神賛歌』を作っているし。